「イカ天瀬戸内れもん味」の開発担当者が語る秘話!「幾度もの失敗を乗り越えて今がある」


当社で活躍する社員インタビュー連載3回目は、大ヒット商品「イカ天瀬戸内れもん味」の開発者が登場!現在は製造部部長として指揮を執る坂本摩理さんに、入社からこれまで、そして誰もが気になる「イカ天瀬戸内れもん味」の開発秘話に迫ります!

 

安心安全かつおいしい「イカ天瀬戸内れもん味」を全国へ

―現在の業務内容を教えてください。

「イカ天瀬戸内れもん味」の製造ラインで、製造管理をしています。同製品のみを作る2019年に新設された第3工場が私の持ち場です。そこでは、メンバー8人が粉練り、粉付け、フライ、選別、まぶし、包装、箱詰め、梱包までを連続作業で進めています。私の主な仕事は、ライン停止を防ぐ調整と、お客様からの受注に合わせて効率的に生産が出来るようにするための原料や資材の入荷確認や生産計画です。

―「イカ天瀬戸内れもん味」を作っている工場の統轄をされているのですね。

そうですね。総監督をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。同製品の製造数は、平均すると1日で約1万8千袋です。ラインが止まってしまうと出荷に多大な影響を与えてしまうので、正常に稼働できるよう、生産機器の部品交換や定期清掃などの計画も立てています。

 

―入社のきっかけを教えてください。

一番の動機は地元で食品に関わる仕事がしたいと思ったからです。私は、食べ物を食べたり作ったりするのが好きで、大学時代には食品製造の勉強をしていました。

―「まるか食品」が、まさに思い描いていた職場だったと。

そうですね。それに、私が入社する少し前、「尾道工業団地」ができ、以前の「神田工場」から現在の本社がある場所へ拠点を移そうと検討していたタイミングだったんです。そのため先代の会長が、私が通っていた大学の教授に工場設計などについてアドバイスを聞きにきていました。

―なんと!大学で「まるか食品」と出会ったんですね!

ラッキーなことに、移転のための視察の際、「君も行ってみる?」と教授から声をかけられたんです。もちろん興味があったので即答で「はい」と答えました。そうして、「神田工場」の内部を見せてもらい、揚げたてのイカ天も食べさせてもらったんです。とても美味しかったので、「これを毎日食べられたらいいな」と思いました(笑)。私は、食べ物の中でも特に魚介類が好きなので。

 

常に最善を尽くし未知の領域に挑戦

―現在に至るまで、あらゆる業務を経験されたと聞いています。

品質管理や営業、商品開発など、さまざまな経験をさせてもらいました。また、資格類取得にも力を入れました。例えば、辻調理師専門学校の通信教育では和食や洋食、パンなどの勉強や製菓衛生師の免許を取得しました。商品開発に活かすためです。その他、食品製造を会社として行うのに必要な第1種衛生管理者や危険物取り扱い者、食品表示管理者なども取得して仕事に生かしています。

 

 

―そんなにたくさん!お金も時間もかかりそうです。

当社には、免許や資格取得のための費用を全額会社が負担してくれる制度があるんです。大変ありがたかったですね。もちろん、適用されるのは合格した場合のみです。働きながらの勉強はなかなか大変でしたが、「まるか食品」で培ってきたこれまでの全てが、現在の私の糧になっていると思います。

―仕事をする上で大切にしていることはありますか?

先代の会長から「今やっている仕事がベストじゃない。もっといい方法があるはずだから常に最善を尽くし、よく考えて取り組みなさい」とよく言葉をかけられていました。入社から現在に至るまで、常にフロンティア精神を持ち、新しい道を切り拓いていく姿勢を忘れないようにしています。

 

幾度もの失敗を乗り越えてヒット商品が誕生

―坂本さんは、当社の主力製品「イカ天瀬戸内れもん味」を開発した第一人者! しかし、開発段階では社内で猛反対にあったと…。

今はおそらく、レモン味は当たり前のフレーバーですよね。広島県産レモンを使った商品は、広島のお土産代表格のような存在です。しかし、当時は酸っぱい味に誰もが慣れていませんでした。「ちょっと酸っぱい」レベルのものはありましたが、「イカ天瀬戸内れもん味」ほど酸っぱい製品は、県内どこを見渡してもなかったんです。社内全員が、はてなマークを浮かべていたと思います。

 

 

―なぜ、酸っぱさにこだわったのでしょう?

食べてすぐに、レモン味がわかる商品にしたかったんです。中途半端だと、印象に残りません。偽物っぽくならないよう、本格的なレモン味にしたいという気持ちがありました。味付けを依頼しているシーズニング会社さんに、「もっと酸っぱくしてください」と改良依頼を出すたびに、「こんな酸っぱいものは作ったことがありません。ほんとですか?大丈夫ですか?」って何回も聞かれましたね(笑)。最後は、「酸味をください」と私からお願いして、自身で表現したかった酸っぱさに調整したんです。

―現在の一口サイズにも反対があったとか。

実は、味よりもサイズに大きく反対されたんです。理由は、作るのが大変だからです。それまでの製品より、3倍以上の手間がかかり大量生産に向かないと言われ、「それだけはやめてくれ」と社長からも懇願されました。結局最後は、工場の女性パートさんにアンケートをとり、「作るのは大変だが、自分が食べるのなら小さいサイズがいい」という女性からのリアルな声を社長に届けました。加えて「1度出させてください。これでダメだったら変えますから」と説得しましたね。そうして社長から、「そこまで言うんだったらしょうがない。やってみようか」と言っていただき、2013年に無事発売できたんです。

 

 

そこまで押し切れるのは自信がないとできないことだと思います。プレッシャーはなかったんですか?

全くなかったです。それ以前に、たくさんの失敗を経験していますから。売れない商品を何回も作ってきたので「これが売れなくてもなんとかなる。また新しいものをつくればいい」と思っていました。でも、売れてよかった(笑)!

プライベートも「おいしい」を求めて日本各地に

―お休みの日はどう過ごされていますか?

パンやお菓子が好きなので、休みの日には新店パン屋さんをまわったり、話題の飲食店へ社内メンバーや友人とご飯を食べに出かけています。休みの日に限りませんが、3ヶ月に1回は部署での懇親会があります。会社から1人3000円の補助が出るので、チームメンバーと食事を囲みながら、普段の作業での大変なことも和気あいあいと話ができるので、リフレッシュできていますよ。

 

 

―当社は、チーム力の高さが誇りです!他、坂本さんのプライベートを教えてください。

旅行も好きなので、計画を立ててしばしば出かけています。直近では東北の仙台、山形、岩手に2泊3日で旅行に行きました。現地では、お寺や景色のきれいな場所を訪れ、おいしい食べ物をいただいてきました。あとやはりパンですね(笑)。旅行先で魅力的なパン屋さんを見かけると、どうしても寄ってしまいます。

 

 

―やはり、おいしいものには目がないんですね。

お酒も好きなんです。ビールは、その土地の味が詰まったクラフトビールが好きです。山形では、さくらんぼのクラフトビールを飲んであまりのおいしさに感動しました。それに、日本酒も好きです。東広島の蔵開きには毎年のように参加しています。試飲がたくさんできるので、幸せな場所です(笑)。

広島から世界へ!今後は海外展開を視野に

もちろん、私自身が開発した「イカ天瀬戸内れもん味」です。2024年2月には、ジャパン・フード・セレクションでグランプリを受賞しました。たくさんのお客さまに愛していただける商品になったことを何より嬉しく思います。

 

 

―最後に、全国のお客さまへメッセージをお願いします。

当社には、「イカ天瀬戸内れもん味」以外にも、さまざまな味付けをした商品が豊富に揃っています。イカ天だけで約20種類、のり天も10種類以上のレパートリーがあり、プレーンなオーソドックスな味付けのものから、直近ではヤンニョム味ののり天や燻製味のイカ天が発売になりました。また、お酒のおつまみとしてだけでなく、ノンアルコールに合う商品開発も行っています。

 

さらに、ムスリムの方にも楽しんでいただけるよう、海外向けのハラル認証も取得しました。今期は、対米HACCP認証取得を目指し、日本のみならず世界中で当社製品を食べてもらえるよう注力します。今後の「まるか食品」にも、どうぞご期待ください!

 


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